前回では、「密集地問題には吹き抜けが 有効!」だけど、「吹き抜け=寒いのでは?」という疑問で終わっていました。
〚CAFな家〛では、吹き抜けのある一室空間「MADORAN」的コンセプトで住まいづくりをしています。
吹き抜け+広い一室空間で、さらに「寒さ」に対してハードルが高い仕様になっていますが、お住まいになられた方からは、
「夏の猛暑日でも、家の居心地のよさが変わらない」
「冬の朝、ベッドから起き上がるのが辛くない」
といったお声をいただいています。その理由として、これまでの住宅との【性能の違い】について解説していきます。
結論からお伝えすると、吹き抜けが寒いのは【住宅の性能】の問題でした
日本の高度成長期に建てられた、“気密や断熱のことを考えていなかった”時代の吹き抜けは、エアコンをいくら強く設定しても底冷えがしたものです。
【従来の低気密・低断熱住宅】
気密が低いため、エアコンが送り出す暖気(や冷気)を家の中に保つことができない→
吹き抜けのある広い空間になると、1階の足元に冷たい空気が降りてくる→
足元が寒いので、当然体感温度も寒くなる
寒さの原因は、「吹き抜けだから」ではなく、快適な温度を保てない「住宅の性能」の問題にあったのです。
吹き抜けでも快適な空間を可能にする、「住宅の性能」について
〚CAFな家〛は、家の性能にかなりのこだわりを持っています。
“吹き抜けでも快適な空間”を実現するためには、【断熱】【気密】【換気】【自然エネルギー】という4つの要素に対して、丁寧にアプローチしていく必要があり、この要素のどれを欠いても、快適な空間をつくりだすことはできません。
まずは【断熱】。
〚CAFな家〛では、壁に使用する断熱材に、グラスウォールの約2倍の断熱性能をもつ高性能な硬質ウレタンフォーム、窓には高断熱サッシを使用しています。
断熱効果を分かりやすくお伝えするのに、「家からどれくらい熱が失われるか(=つまり、数値が低いほど熱が失われない)」というUA値という指標で表すと、〚CAFな家〛では、【UA値0.38〜0.56】という高いレベルをクリアしています。(一般的な省エネ住宅で設定されている基準は【UA値0.87以下】)
次に、【気密】
住まいには、どうしても「すき間」が存在しますが、単なる「すき間」だとあなどってはいけません。その「すき間」から、冬なら冷たい空気が入りこみ、足元に降りてくることで「エアコンの設定温度を高くしても、足元はいつまでたっても寒い問題」が生じます。断熱性能とともに、気密性が低いのが問題の原因。
数値の話が続きますが、C値(相当すき間面積)という、「住宅にどのくらいのすき間があるのか」を示す値があり、気密性を測る指標として用いられています。一般的に高気密住宅の目安が2.0といわれている中で、〚CAFな家〛は、1.0を基準に設計しています。とことんまで「すき間を減らした家」だとお考えください。
CAFな家=魔法瓶のような家?
高性能な断熱材で周囲を囲み、すき間を最小限まで減らして気密性を高めた「魔法瓶のような住宅」が、〚CAFな家〛の高気密・高断熱のイメージです。冷たい飲み物が冷たいまま、暖かい飲み物が暖かいまま保たれる「魔法瓶」のように、高気密・高断熱住宅では、外気の温度に影響を受けずに、エアコンの設定温度と体感温度が変わらない快適な住まいが実現できるのです。
次回は、その魔法瓶のような家の居心地をアップする【換気システム】【自然エネルギー】について解説していきますね。