世界的に木材の需要がひっ迫し、木材価格が高騰している「ウッドショック」。
木材自給率が4割を切り、輸入材に頼っている日本にも影響しています。
軒並み価格が上昇していますが、分かりやすいところでは
ホームセンターでも販売している「ツーバイフォー材」のカナダ産SPF。
20年は1立方メートルあたり5万円で推移していたのが、21年4月には8万1000円。
昨年比1.62倍の価格となっています。
原因の一つには、アメリカでの住宅着工件数の急増があります。
コロナ対策として政策金利を実質ゼロに誘導する政策が住宅ローン金利を引き下げたこと、
テレワークの浸透により郊外の住宅需要の増加が急増の背景といわれています。
輸送用のコンテナの減少など要因は他にもありますが、
個人的には、「日本は、今まで高品質なものを安すぎる価格で買い付けていた」とも感じています。
日本は、カナダ・アメリカの原木生産者に対して、木材を大量に買い付けることで、Jグレードという
高品質の木材を安く安定的に供給してもらっていました。
しかし、アメリカの国内需要が伸び、Jグレードよりも品質の劣る木材が、
〔Jグレードよりも高い価格で取引される〕という逆転現象が起こっており、
コロナ前から、近いうちに日本の木材価格はすると予想されていました。
また日本は、住宅着工数が年々減少し、それにともない木材の消費量も減少。
人口減少や少子高齢化で今後もその傾向は避けられず、世界のマーケットから見れば、需要が落ちていく日本に
売るよりも、今後間違いなく増加する中国などへ輸出した方がいいと考えるのは当然の流れです。
コロナによって引き金がひかれましたが、輸入材の価格上昇は、ある意味当然の状況と言えるかもしれません。
現状は高騰しすぎている感もあるので、少し価格は落ち着くものの、以前のような低価格水準での取引は
厳しいのではないかと考えています。
では、活路はないのかというと、
日本の森林面積は約2500万ヘクタールで、日本の国土(こくど)の67%と国土の3分の2が森林です。
木材は、国内で生産できる資源でもあります。今までは多くを輸入に頼っていたため、
残念ながら林業が衰退し、今すぐに増産体制を整えられる状況ではないかもしれませんが
これをきっかけに、「日本のスギやヒノキでしっかりと木材を自給できる林業復活」のチャンスに
変えてほしいと願っています。
CAFな家では、国産材を7割使用しています。一業種一社で信頼関係を築いてきていた供給者さんのおかげで
弊社住宅着工がストップすることはありませんが、工期の延長や価格の変動の可能性がございます。
以下まとめておりますので、ご理解をお願いいたします。
【CAFな家のウッドショックの対応について】
① 現状:第二四半期までは、木材供給者とも連携し、木材は間違いなく供給はできると確認が取れています。
(第三四半期にはある程度供給も落ち着いてくるとの予測も出ています。)
② 契約時の見積り価格は木材やその他資材の価格の変動で、見直す場合があります。
着工前に、再度金額の訂正を相談させてもらう可能性があります。
(最新の供給単価にてご提供させていただくよう努めて参ります。)
③ 供給量の減少で、工期が伸びる可能性がございます。その場合は、早めに連絡をさせていいただきます。
(予め工期を長めに取らせていただくことで住宅ローンの決済時期を守って参ります。)